会社の後輩二人を連れて飲みに行った帰りに、
占い師がいたので占ってもらう事にした。

酔った勢いもあって、
ふざけて占い師に絡むような形で出世運を聞いてみた。

順調にいけば~、という在り来たりな占いを聞いて、
バカにした記憶がある。

そこで後輩にも無理やり占わせた。

一人は恋愛運も聞いていて、
結婚はいついつ頃とか、
最後は相談みたいになってた。

もう一人が、多分ふざけて、
いつ死ぬか?どうやって死ぬか?なんて聞いたら、
占い師が、
それは専門外なんだけど特別に、
と前置きして言った。

「あなたは200X年○月○日に死ぬ。
腹を壊してから、床で死ぬと出ている。
だからお腹に気を付けて。
危機を乗り越えれば幸せ、とも出ているから」

とあまりにも具体的に言うもので、
血の気が引いて酔いが覚めそうになった。

後輩は一瞬絶句しかけた様子だったが、
冷静に笑いながら冗談でしょ?と返していた。

その後もその内容はなぜかよく覚えていた。

その死ぬと言われた後輩は、
どこまで本気にしていたかは分からないが、
食中毒をネタにするなど、
少しの間は話の種にしたりして笑っていたようだ。

しかし後輩はそれから10年ほど後に死んでしまった。

結論から言うと占い師の占いはハズレだ、
最早2010年代に入っていたからだ。

あれだけ具体的に言われたから、
やはり後輩も気を付けていたのかもな。

後々知ったことだが、
その後輩は兄弟とトラブルになって、
ゴルフクラブで胴体を叩かれて、
倒れたところを押さえ付けられながら、
床に後頭部を何度も打ち付けられ亡くなったそうだ。

そっちのは何となく合っていたんだよな。

凄い嫌な気分だったよ。

別の占い師に聞いたんだが、
死期を具体的に言うときは高齢で~とか、
せいぜい厄年に気を付けろくらいだとさ。

例え分かっていても、
人間の心理として、
ピッタリは言わないだろうとも言ってたな。

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