昔話みたいなものなんだけど、
小さいころに聞いた話。

ある村の外れに木こりが住んでて、
村人に薪と炭を売って暮らしてた。

木こりはいつも行く山中にある古いクスノキの大木を大切にして、
行き帰りに拝んでいたが、
あるとき落雷があって焼けてしまった。

そこで焼け残った幹の部分を鉈で簡素な仏形に彫り、
里の家に安置して信心していた。

ある日、炭焼き小屋に行こうとしたら、
そのクスノキの仏のほうから
『行くな、行くな』という声が聞こえた気がする。

それでも気のせいだと思って外に出ようとしたら、
着物の後ろを何かで引かれる感じがする。

ちょうど木の枝が引っかかったときの弾力にそっくりだったそうだ。

それでその日は炭焼き小屋に行くのをやめた。

次の日は何事もなかったので山に入ると、
炭焼き小屋に人が何人か入って泊まった跡がある。

不審に思っていたら翌日里に役人が来て、
凶状持の一行がその山に入って越えていったことを知らされたという。

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