工場夜勤専門で働いています。

不況で次々と人が切られ、
現在三階で一人で仕事をしています。

作ったものを
一階までエレベーターで運ばないといけません。

以前からこのエレベーターは変でした。

夜勤は居ないなずの二階に勝手に停止したり、
なかなか扉が開かなかったり。

中の蛍光灯もすぐに切れてしまいます。

で、先日のはなし。


問題のエレベーターに商品と共に乗り込みました。

一階のボタンを押すと、
足元が三センチ位沈んだ感じがしました。

扉が閉まると蛍光灯が点滅を始めます。

背中が強張って、
全身の毛穴が広がった気がします。

怖くて動けないのに、
後ろのほうに何かが居るのがわかりました。

それは天井から足元に移動してきました。

踵の後ろに居て、
下から覗き込まれているようです。

見たら駄目だ、
と正面をみて我慢しました。

目を閉じるともっと怖い気がして、
ひたすら扉を見ていました。

目の端に一階に着いたランプが点滅しているが見えるのに
扉が開きません。

『開』のボタンを押そうにも腕は上がりません。

耳鳴りがすると思ったら、
足元に居たモノが首のすぐ後ろに来たんです。

生暖かい風が首に当たり、
異様な臭いがしました。

突然エレベーターがガクンと止まったような動きをして、
扉が開きました。

目の前は真っ暗なんです。

そこは誰も居ないはずの二階のフロアでした。

半泣きになってエレベーターを飛び出すと、
非常階段で転がるように下へ向かい、係長に

「エレベーター調子悪いからそのままにして帰ります」

と丸投げしてきました。

三階に戻るのも怖いので、暇そうな課長に

「蛍光灯切れそうな場所があるから」

とお供してもらいました。

商品は三階に置きっぱなしにしてもいいようにお願いしました。

今思い出したけど、あの臭いって、
捌いた魚の内臓を三日くらい放置したような感じだったな。

霊感なんてないし
初めての経験だったんでビビりました。

お経なんて浮かびもしなかった…。

右耳は耳鳴りでウワーンっていってるのに、
左耳は臭い風の音(ムゥ~ンみたいな)を聞いていました。

腰抜かし一歩手前で足が前に出ず、
階段踏み外して左足捻挫気味です。

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