うちの頑固爺さんの話。

爺さんが生きてる間は全然そんな話しなかったんで、
葬式後の親戚との話で聞いた。

親戚が集まって、
いわゆる故人を偲ぶってやつ。

爺さんは婆さんを嫁にもらうとき、
婆さんの実家に挨拶に行ったんだが、
当時は戦前でまだまだ変な風習のある田舎が多かったらしい。

婆さんの実家で正面から入れずに、
裏から家の中に上がらされたりしたんだと。

爺さん激怒して
「何でこんな馬鹿なことをやっとるんだ!」
と、義理の両親になる人に対して突然説教を始めたそうな。

婆さんの両親が
「縁起が悪い」とか「バチが当たる」とか言いわけすると、

「本当にバチが当たるか、
不幸になったもんを数えて統計をとってみろ!」

と更に激怒。

変な風習を一切やめさせた。

かなりの迷信嫌いだったそうな。

俺は爺さんが当時統計って言葉を知ってた事に驚いたが、
まあ戦前も学校あったし普通に知ってるわな。

婆さん関係の親戚なんかは、
「あの時は馬鹿なことを信じてたな」と言ってた。

爺さんは強引で一度決めると引かなくて、
婆さんの名前を変えさせたり、
戦後は村で初めて農業に機械を導入したり、
かなりのやり手だったとも。

俺はガキのころ暗い所が泣くほど怖くて嫌だったんだが、
泣くと爺さんにメチャクチャ怒られた。

とにかく怖い爺さんだった。

ああいう人だったから
変な風習をやめさせられたんだろう。

でも葬式はきちんとやるし、
地元の神社の行事にも毎年参加していたから、
何の足しにもならない「バチ」とか「祟り」が嫌いだったんだと思う。

もし爺さんと婆さんが出会ってなかったら、
婆さんの実家は今でも変な風習を続けていたのか、
それは分かんないけど、爺さんは良いことをしたと思うよ。

【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事