小学三年の夏。

ちょうど夏休みの始まり位だったかな?に夢を見ました。

延々と続く(そこまで大きい建物ではなかった)螺旋階段状の建物。

窓とかは無く、
全ての階が吹き抜けになっていて、
上を見上げれば空が見える感じ。

そこを母親と楽しく登っていた。

てっぺんに着くと、
いつの間にか母親の姿がなく、
不安になりチョロチョロ探し回る。

ふと外を見ると、
ずっと続く一本道を母親が歩いていた。

私は急いで階段を下り始める。

しかし、いつまでたっても下が見えない。

横の壁の穴から母親に

「待って!置いてかないで!」

と泣き叫ぶと、
母親は立ち止まりニッコリ笑って、
また歩きだした。

私は一生懸命階段を下りているが、
母親の姿がしだいに遠く小さくなっていく。

母親の姿が見えなくなった時、
私は足を止めその場に泣き崩れた。

そして目を覚ますと、
枕は涙でぐしょぐしょになっている。

この夢を五回程見た気がする。


そして、夏休み中旬、
真夜中に母親が出て行った。

母親が居ないのに気付いたのは翌朝だった。

一週間たっても帰ってこない…

夢が現実になったのだと思った。


そして10年経った今でも、
母親の消息はつかめていません。

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