今から30年ぐらい前の話。
ある朝出勤していつも通り朝の準備をしていると、
いつもはうるさいぐらいに元気な後輩A子がやけにおとなしい。
「どうしたの?なんか元気ないね」
と声をかけると、
A子は昨夜友達とドライブがてら
お化け屋敷に行ったのだと話し出した。
以下はその内容だが、
私が今まで聞いたどんな怖い話よりも怖くて、
未だに忘れられない。
A子は昨夜、
友達数人と車で市外の有名なお化け屋敷、山本邸に行った。
山本邸の中を見てまわるのにはしきたりがあって、
入口では「お邪魔します」、
ひとつ部屋に入るごとに
「ここはリビングですね」
「ここは寝室ですね」等、
語りかけながら進む、という決まりがあるらしい。
当然A子たちもしきたりに従い、
話しかけながら家の中を歩いた。
そして、その模様を全て録音した。
怖かったが特になにも起こらず、
帰りの車で早速録音したテープを聞いてみた。
すると最初の「お邪魔します」のあとに、
男の小さな声で「いらっしゃい」と入っていた。
車内はキャーキャーと騒ぎになりながらもテープは進み、
最後に家を出る時に言った「お邪魔しました」の後には、
はっきりと「待てコラぁ」と録音されていた。
車内はもう大騒ぎである。
と、その時A子のポケベル(当時はポケベルが主流)が鳴った。
見てみると自宅からだった。
公衆電話から自宅にかけてみると母親が出た。
『今ね、あんたに男の人から電話があってさ』
「誰から?」
『山本さんて言ってたよ』
A子には山本なんて知り合いはいないのだが。
「なんだって言ってた?」
『なんか、“もう一回来ればわかる”って言ってたよ』
この話をした後に
「嘘じゃないですよ!母からきたポケベルの番号みせますか!?」
とテンパっているのや、
一睡もできずに出勤してきた姿を見て作り話とは思えなかったし、
それがつい数時間前の事だというのが私も怖かった。
もちろんA子はもう一度行く勇気はなかったので、
真っ直ぐ帰ってきたらしいが、
もし行ってたらどうなっていたんだろう。
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なんで自宅の電話番号知ってるのか。