思い出話を少々。

友人と恐怖スポットに行く事になり、
ネットで色々調べました。

まぁ、有名な場所と言う事もあって、
その時は千駄ヶ谷トンネル、小坪トンネル、
八神神社?(名前忘れました)、東京タワー、青山墓地、
そして富士の青木ヶ原樹海に決定しました。

カーナビ付きのレンタカーを借り、
映像を映したかったので8ミリビデオをレンタルして、
夜の18時に出発。

順番は八神神社→東京タワー→青山墓地
→千駄ヶ谷トンネル→小坪トンネル→樹海の順で行きました。

八神神社はごく普通の神社でした。

東京タワーはカップルだらけでした。

青山墓地はタクシーが多かった。

千駄ヶ谷トンネルは、
その場所の上に墓地があるのでそこに行き、
そうしたら人が通ると反応するセンサーライトがあり、
いきなりそれが付いたのでびっくりして逃げました。

小坪トンネルでは、
うちらと同じ目的で来ているグループもあり賑やかでした。

最後の樹海ですが、
そこに着いたのが朝の6時。

太陽もうっすらと出てきており、
明るかったのですが折角来たので入りました。

さすが樹海。

見渡す限り、木、木、木、です。

しかも早朝ともあって、
とてもすがすがしかったです。

これでは何しに来たのか分からないので(元々目的はありませんが)、
夜が来るのを待つことにしました。

近くで時間を潰し、
ワイワイと楽しみました。

外も薄暗くなってきたので、
再度樹海に出発。

朝には気が付かなかったのですが、
本当にあるんですね。

『自殺をする前にもう一度考え直しましょう』

と書いてある看板。

そんな看板を横目に、
樹海に入り込んでいきました。

辺りはもう真っ暗で、
すぐ隣にいる友人さえライトがなければ
確認出来ない状況です。

ライトを2つ持っていったのですが、
それでもとても暗かったです。

3人で行ったのですが、その1人が

「俺、怖いから車で待ってるよ…」

と言い出し、
途中まで来ていたのに1人で戻ってしまいました。

1人で帰る方が怖いと思いましたが、
特に引き止めませんでした。

もう1人の友人がその時、

「車の中で1人で待ってる方がこえぇーよ」

と言い、
全くだと思い大きくうなづきました。

うちらはそんな事をぶつぶつと言いつつ、
奥へと向かって行きました。

ライトが2つから1つになってしまい、
より一層暗く感じます。

そんな中でも少しほっとしたのが、
道路があるからです。

明かりもない道路なのですが、
人工物と言う事で私はほっとしていました。

でも樹海に来たのですから、
道をそれないとね。

うっそうとしたしげみと木々を避けながら、
原生林の中へと入って行きました。

5メートル位進んだのでしょうか。

先程まで人工物があったという感覚等まるでありません。

足元は土、周りは闇。

方向感覚を失いそうです。

その中を小さな明かりを頼りに奥へ奥へと行きました。

やはりありました。

予想はしていましたがありました。

人がここに居たと言う証拠。

そこには、
毛布、空き缶、本等がまとまって置いてあります。

こんな原生林の中で生活する訳もないですから…。

理由は言わずとも分かる事と思います。

更に進むと、
どんどん出てきます。

出てくると言うか発見ですかね。

木からぶら下がっている縄。

靴、衣服等。

ここへ来てしまう人達は同じ思考なのでしょうね。

そして、同じ場所で…。

それとも、誘われてる?引き込まれてる?

そう思うと寒気がします。

その時、ふと隣にいる友人を見ました。

こんな時思ってしまうんですよね。

隣にいる友人が違う人間だったらどうしようと。

その友人だったのでほっとしましたが、
友人の表情がおかしい。

とても険しく、何かを考えてる様子。

「どうしたの?」

と私が聞くと、
びっくりした顔で私を見てきます。

まぁ、今まで特に会話もせずに
奥へ奥へと来てしまいましたから、
いきなりで驚いたのでしょう。

そんな事を私が思っていると、

「なぁ、後ろに誰か居ないか…?」

と言います。

私は『きたかっ!』と思い、
少しワクワクしながら後ろを見ました。

振り向いたのはいいのですが、
暗くて何も見えません。

ですが、
何かがすぐそこにいる気配を感じます。

月明かりすら入ってこない原生林。

真っ暗で何も見えないのですが、
確かに何かがいるのです。

友人はそれを感じていたのでしょうね。

私は友人からライトを奪い、
その何かを照らそうとしましたが、
友人がライトを渡すのを拒みます。

「見ちゃいけない!」

それでも私は見たいので、

「貸しなさいよ」

と言いましたが、

「見ちゃいけない!!」

と友人は強い口調で、
私に罵声を浴びせる程の大声で言ってきます。

そんなやり取りをしていたら、
ふと気配を感じなくなりました。

友人もそれを感じたのか、
表情が穏やかになり、

「戻ろう…」

と一言、力弱く言います。

私も小さくうなづき、
戻る事にしました。

木々を避けながら、
草を掻き分けながら、前へ前へと。

気持ちが落ち着かないせいか、
早足になっているうちら。

しかしふと気が付くと、
先程の気配が後ろから付いてくるじゃありませんか。

「何か来てるね」

と私が言うと、
友人は小さくうなづきました。

以心伝心とでも言うのでしょうか。

同時にうちらは走り出しました。

しかし、後ろの気配も
同じ速度で追ってくるのが分かるのです。

さすがの私も怖くなり始めました。

「こりゃやばい」

と、つい口に出てしまいました。

「うふふ、そうだね」

えっ…?女性の声…?

私はすぐに隣にいる友人を見ました。

友人もこちらを見ています。

しかも、ものすごく驚いた顔で。

そうなんです。

その声は後ろから聞こえてきたんです。

うちらはその声を聞いて、
更に早く走り始めました。

もう無我夢中でした。

とにかく前へ前へ。

小さなライトの明かりを頼りにとにかく走りました。

それでも、
後ろの気配が付いてくるのが分かります。

髪が乱れ、
体のあちこちに木々があたろうが、
そんな事気にもせず走りました。

やっとの思いで道路まで戻る事が出来ました。

ふと安心してしまい、
走る速度を落としてしまったのです。

その時、私のすぐ頭の後ろで、

「ねぇ、待ってよ」

と言う声がしたんです。

もう私は全ての毛が逆立つ思いでした。

私はまた走り出しました。

ここまで来れば車までもう少し。

そして、すぐに車が見えてきました。

その時、
車で待っている友人がエンジンをかけだし、
バックだと言うのに車を走らせるじゃありませんか。

私は心の中で『置いてかないで』と叫びました。

本当なら声に出して言っているのでしょうが、
走って疲れているせいか声が出ませんでした。

やっと追いついたと思うと、
車は加速して追いつけない。

また追いついたと思うと、
また加速する。

それを何回か繰り返した後、
やっと車に乗り込むことが出来ました。

乗り込んでほっとした時、
気が付いたのです。

無我夢中で隣の友人の存在を忘れていた事に…。

ちゃんと車に乗っているので、
再度安心しました。

しばらく沈黙が続きましたが、私が

「何で車で逃げたのよ!」

と強い口調で言い放ったのです。

そしたら友人は、

「お・お前らの後ろから、
大きな人魂が追いかけてきてたんだよ…」

と言いました。

私はこれ以来、
心霊スポットと言う所には行かないようになりました。


この後にね、
車が動かなくなっちゃうの。

そんな状況でも、疲れていたのかな。

みんなで眠る事にしたの、
動かない車の中で。

私と車で待っていた友人は6時間位で起きたのだけど、
一緒に樹海の中に入った友人がどんなにゆすっても起きないの。

その友人が起きたのは2日後。

そんな不思議な体験をしたわ。

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