今日お祓い受けて来たからちょっと語る。
物語調で書くのあんま得意じゃないから、
あったことを書いてく。
必要だったら誰か勝手に脚色してくれ。
あんま怖くないけど
一応お化け関連だしこっちへ。
半年くらい前の、
梅雨くらいの時期の話。
友人の山下(A君)の所有する山(実際は山の一部)で、
サバゲーの野戦をする話になった。
A君と俺の共通のサバゲー仲間6人で、
19時に現地集合ってことになった。
群馬のクソ田舎の山だもんで、
日が落ちるとマジのガチに真っ暗になる。
ただ山下が中華性の安い謎暗視スコープを人数分買ってくれたので、
全員それを着けて遊んでいた。
あんまり広く散ってもしょうがないので、
直径400mくらいの範囲で
6人が散り散りになってのデスマッチをした。
安物の中華製だったが、
月明かりもけっこう明るい夜で
それなりに楽しくサバゲーできた。
3時間ほどサバゲーを楽しんだ辺りで、
いい加減足腰がつらくなってきた。
すると、
足元にちょうどいい大きさの石が転がっていた。
俺はそこに座って
少し休むことにした。
10分ほど座っていて、
それなりに疲れもとれたので
戦線復帰しようと立つ。
ふと俺が座ってた石を見ると、
それは倒れたお地蔵様だった。
やべやっちまったと思った。
よく見ると、
近くにお地蔵様が立ってたであろう石造りのステージもあった。
「おいちょっとみんな中止!集合!!」
俺はフラッシュライトをつけて、
空に向けて振りなら叫んだ
1分ほどで俺以外の5人が集まってきた。
「どうした?」
と山下が聞いてくる。
「なんかお地蔵さんが倒れてて
めっちゃ怖いから呼んだ」
俺はお地蔵さんに座ってたことは隠した。
みんな「マジだこえー!」とか叫んでたが、
一番怖いのは俺だ。
とりあえず倒れたままでは可哀想だと思い、
おじぞうさんを元のスポットへ戻してあげようとした。
高さ50cmほどのお地蔵さんはクソ重たかったが、
一緒にいた一人が手伝ってくれたので
元の位置と思わしき場所に戻せた。
ただ、お地蔵さんをリスポーン地点にセットした瞬間、
お地蔵さんの右手首から先がポロっと取れてしまったのだ。
別にそこに力をかけた訳でも、
ましてや触ってもいないのにポロっと手首が落ちた。
しょうがないので、
タミヤセメントでくっ付けて
養生テープで巻いて止めた。
石相手にタミヤセメントは効かないとも思ったが、
気持ちの問題だからいいだろう。
あとお地蔵さんが被っていた布は、
なんか土や泥で汚れていたので、
クリスタルガイザーで流して被せてあげた。
穴も開いてて可哀想だったので、
俺がフェイスガード替わりに使っていた
迷彩柄のメッシュスカーフを上から被せてあげた。
めっちゃデカかったから、
頭だけじゃなくて袈裟みたいに体もいけた。
カムフラージュ率は高くなってしまったが、
一応お地蔵さんを元に戻せたのでよしとした。
ついでにカロリーメイトもお供えしておいた。
お地蔵さん事件ですっかり現実に戻った俺たちは、
その日は解散することになった。
一番近い車道から、
二手に分かれて帰る俺ら。
俺とA君は山を登って裏に降りる方向。
他の4人はまっすぐ下山する方向に家があるので、
それぞれの方に向かう。
A君の後を俺が追う形で
俺らグループは出発する。
しかし、A君はバカだから
スポーツカーで山道をかっ飛ばして速攻で帰ってしまった。
いちおう街頭的なのも時折無くはないが、
死ぬほど暗いことに変わりはない。
俺は普通のおっさん車だから
ゆっくり帰ることにした。
3分ほど走っていると、
道を歩く女がいた。
23時過ぎの山の中をである。
普通に考えれば
お化けか何かだろう。
ただ、細いジーパンに
オレンジのジャケットを着ていたのを見て、
不思議とその人が幽霊だとかとは思わなかった。
話はちょっと変わるが、
俺はよく道で動けなくなってるババーを拾うことがある。
足が疲れたとか、家が判らなくなったとか
俺はそういうのを見ると、放っておけなくなる。
なぜなら放っておいて、後から
「あーあの時のババー大丈夫だったかな」
とか思ってしまうからだ。
だから今回も、
このオレンジジャケットボブカット女に声をかけてみた。
「ういーお姉ちゃんどうしたの。
どこ行くの?
乗っけてってあげようか」
その子は涙目だった。
「彼氏と喧嘩別れしちゃったんです」
「送ってってあげるよ、乗んな」
俺はその女を助手席に乗せてやって、
出発した。
「どこに行けばいいの?」
と聞くと
「この道を道なりに行けばあります」
という。
隣に座った女は、
シートベルトパイスラがエロかった。
そこから5分くらいで山頂付近。
その後2分くらい山を下った辺りで
「あ、もうすぐです……あ、そこです」
と女が言う。
女が指さした場所は、
何かの建物だった。
駐車場っぽいスペースに車を止めて、
ライトで照らしてみる。
コンビニか、
何かのオフィスか、
カフェか、
そう言った感じの建物。
しかし、
明らかに営業している感じではない。
ましてや人が住んでいたりする気配は微塵もなかった。
看板には『楽蛇』と書かれていた。
「ここ?」
「はい、この奥です、
よかった一緒にどうですか?」
と女はその廃屋を指さしてこちらを見て来た。
その瞬間やっと俺にはわかった、
こいつおばけだ
「あっ、てめーお化けだな!降りろ!
俺はまだお化けにはならねえよ!!
なんだよラクダって!!」
というと、
女は全身をビクッっと震わせて急いで車を降りた。
「ドア閉めて!!」
というと、
お化けはドアを締めてくれた。
そうして俺はまた山道を下って家に帰った
その後、
得に俺の生活が何か変わることは無かった。
夏にはA君の山でキャンプをしたが、
お地蔵さんは怖いから探さなかったし、
忘れたフリをした。
でこないだ11月15日、七五三の日。
姪っ子が7歳だもんで、
神社に連れて行った。
姪っ子、姉貴、おかん、ワイの4人で近所の神社に向かう。
神社の駐車スペースに車を止めて、
全員車から降りた辺りで神主さんが走ってきた。
「どうしました!?」
どうしましたじゃねえだろ、
どう見ても七五三だろと思いながら
「あ、姪が7歳なもので」
と答えたら
「あ、え?あ、お車じゃなくて?」
とか言い始めた。
「え、俺の車ヤバイんすか」
「あー……はい、そうですね。
何人くらい轢きました?」
俺は生まれてこの方無事故無違反だ。
「俺、無事故無違反ですけど」
「あー、じゃあ前の持ち主かなぁ……」
「これ俺が新車で買ったんですけど」
「ちょっと……よくないのが憑いちゃってますね……
すぐにでもお祓いをした方が……あとあなたも……」
と俺と俺の車のお祓いを勧めて来た。
「俺後でいいんで、
こっち先に済ませてもらっていいですか」
と言って姪の七五三のなんか儀式的なのをやってもらった。
その後気にせず帰ろうとしたが、
母も姉も姪っ子も、俺の車には乗ってくれず、
なぜかタクシーで帰っていった。
俺は金持ってないので、
後日また来ますということで一旦帰った。
で今日お祓いを受けて来た。
一応お化けはとれたらしい。
怖いから車屋で半年点検もしてもらった。
車は何ともない。
ただ俺は正直、
あの楽蛇がめちゃくちゃ気になっている。
昼間の明るい間に行ったら、
何かあるんじゃないかと思う。
でも多分行ったらお化けいるに決まってるから行かない。
行かないと思うけど、
でもめちゃくちゃ行きたくて仕方ない。
楽蛇ってなんだ?
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コメント
コメント一覧 (8)
それと、前半のサバゲと石地像の部分は蛇足ではないかと思う。
逆に竜宮城的な感じでもてなされようとしてたのかな?
どちらにせよ、ちょうどいい謎かげんで好きな話だった
ところで山下に仮名A君は必要だった?
ラクダは漢字で書くと駱駝ですね。
怖い話に出てくるサバゲーマーって何故かいい人なのはなんでだろう。