不可解とは言えないかもしれないが、
俺は死体とよく出会う。


1.小2年の時

幼馴染の上級生とどぶ川にいた亀に
石をぶつけて遊んでいたんだが、
亀には当たらず、
亀が乗っていた汚れた麻袋のようなものに石が刺さった。

そこから濃い緑色の混じった赤黒い液体が流れ出たので、
上級生が麻袋のようなものを棒でひっくり返したら、
赤ん坊の死体だった。


2.小5年の時

学校の裏山で6万円ほど入った財布を拾って派出所に届けたら、

「金額が金額だから拾った場所に案内して」

と言われ警官を連れて行くと、
財布を拾った場所から1mほど離れた落ち葉の山の中から、
人の手が出ているのを見つけた。


3.中2の時

校舎の4階から外を眺めていた時に、
学校の敷地とその隣の溜め池の間にある大きな木のところで、
人の足が揺れているのを見つけた。

先生に報告して見に行ったら、
浮浪者が死んでいた。


4.19歳の時

道を歩いていると、
バキ!ドス!という音が背後から聞こえた。

振り返ると、
折れた街路樹の枝と耳から黄色い液体を流して
倒れているおじさんが痙攣していた。


5.28歳の時

営業車でバイパスを走っていると、
脇道から信号無視した軽がバイパスを横断しようと突っ込んできて、
俺は急ブレーキで止まったが、
横の車線を飛ばしてきたダンプに真横から運転席を完全に潰された。

最初のがトラウマになって、
今でも赤ん坊や赤ん坊を模した人形は嫌いだが、
不思議なことに、死体に対する恐怖感や嫌悪感はまったくない。

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