これは自分が体験したわけではなく聞いた話です。

自分の母は鎌倉の江ノ電沿いのK駅近くのレストランで働いていた頃に、
Nさんという人と仲良くなりました。

彼女はいわゆる見える人だそうです。

そんな彼女がある日、
母にこんなことを言ったそうです。

「K駅の自販機の辺りは危ないから近づかないほうがいいよ」

いきなりそんなことを言われたので何がなんだか分からず、
母はNさんに理由を聞きました。

Nさんが言うには、
夕方になりNさんの仕事も終わったので、
帰ろうと駅で電車を待っていた時に、
少し離れたところ(彼女の右手側)にいる男女のカップルに目が留まったそうです。

というのも、
若い女の子が男の子の首に手を回して覆い被さるように立っていたからです。
(後ろから体重をかけて抱き付いているような感じ)

Nさんは最初、
まだ明るいうちから人前でいちゃついて…と思ってあきれていたそうですが、
妙な違和感というようなモノを感じ取ったのか…
電車が来る間なぜだかその二人から目が離せずにいました。

やがて、踏み切りの音が聞こえて彼女の左手側から電車がきたので、
Nさんは一瞬だけ電車の方を見て、
その後またさっきのカップルを目を移しました。

すると女の子だけがいなくなっていたそうです。

Nさんはその日のことを不可解だと思いながらも、
疲れていたので見間違いと思うことにしました。

次の日も同じ時間に仕事が終わって駅で電車待ちをしていると、
昨日あのカップルがいた辺りにおばあさんがいたそうです。

ただそのおばあさんは妙な格好をしていました。

高齢者の方なので
腰が曲がっていることはおかしいことではないのですが、
その曲がり方が、
今にも線路に落ちそうなくらいに前のめりになっているのです。

いくらなんでもそんなに曲がることはない…

そう思って嫌な感じがしながらもよく見ていると、
おばあさんの背中に昨日の女の子が同じ格好で乗っていたそうです。

この時になってNさんは、
あの女の子は生きている人ではないと思ったそうです。

その後、
電車が来ておばあさんが乗ろうとした時には、
もうその子はいなくなっていたそうなのですが。

その日以来もうその駅で女の子を見ることは無くなったそうですが、
彼女は誰かに付いていったのでしょうか?

それともまだあの駅にいて、
付いていく誰かを待っているのでしょうか?

江ノ電のK駅でもし背中が重くなったら気をつけてくださいね。

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