現在住んでいるアパートを見つけたのは
まだ隣町の友達の家のソファに生活してたときです。

近くの他のアパートに比べて安く
暖房とお湯使い放題で場所も学校に近くて好条件。

話を聞いた知り合いの日本人の女の子が
気に入ったら一緒にシェアするということで
下見についてきました。

管理人に連絡を取り女の子と一緒に
「空く予定」の二人部屋に案内してもらいました。

若い夫婦が暮らしてたそうですが
奥さんが子供を連れて逃げてしまったとのこと。

家賃を滞納してるので
近いうちに空にしてしまうそうです。

部屋に着き管理人が扉をノックするが返事はなし

そこで管理人が合鍵で扉を開けると
異臭が鼻につきました。

台所には洗ってない皿の山があり、
応接間には食べかけのポップコーンと
洗濯されてない服が放置されていて異臭の原因だと判明。

床のあちこちに服があります。

シャワーつきトイレには
シャンプーの容器が散らばり中身がはみ出してます。

部屋は大小2つあり
まずは大きいほうの部屋に案内されました。

中にはダブルベッドと2つのタンスがあって
ベッドの上にも服が散乱。

タンスはいくつかの引き出しが開けっ放しになっていて
服がはみ出してます。

小さいの方の部屋の扉を開けると
明らかに違う異臭がしました。

部屋中に5センチから10センチぐらいの
小さいぬいぐるみが散らばってました。

ざっと見ただけですが
おそらく150はあったと思います。

部屋の隅に大きめのゴミ箱があり
そこから黄ばんだ白いものがはみ出してました。

オムツです。

大量のオムツがゴミ箱にあふれ出すほど詰められてて
それらが悪臭を放ってました。

床にはベッドのマットレスが置いてあり
その上には汚れたシーツが敷いてありました。

俺は絨毯も張り替えるだろうし
大切なのは間取りとかだろうと考えてて
特に気にしてませんでしたが、
女の子は完全に参ってしまってて
別の場所を探すことに決めたそうです。

ルームメイトになってくれる人が居ないので
後日一人部屋を案内してもらいました。

3階にある部屋で訪れたときには
やっぱり住人は居ませんでした。

女性が一人暮らししてるらしく
大量の薬の容器が台所と洗面所にあった以外
中は二人部屋と比べてかなり片付いてます。

ただしここでもやっぱり異臭がします。

違う点は臭いの元が見当たらず
部屋全体から臭ってるような感じだった。

それ以外に特に気にすることも無く
広い部屋に一人で住めるということで
管理人と契約して部屋が空くとほぼ同時に住み始めました。

そして安い理由を思い知ることになりました。

トイレのレバーがおかしくなってて
きちんと上に戻さないと水があふれて洪水になる。

便器は黄ばんで恐ろしいほど汚い上
便座が割れてて即効で掃除して取り替える羽目に。

絨毯や壁はきちんと掃除してあったにもかかわらず
臭いはありました。

下見の時には気がつかなかったけど
ベランダに糸くずの塊みたいなものがいくつかあって
臭いはネコ臭だろうと納得しましたが
この臭いは今でも取れないまま。

他の住人は老人と中年女性が多く
女性達の旦那らしき男性は見当たりません。

老人達は親切なのですが
中年女性たちは非常に態度が悪い上
外を歩いてるとよく罵倒と彼女達の息子と思われる
子供の泣き声が聞こえてきます。

日本語に直すと

「このクソガキーさっさと出てけっ!」

とか

「ママ、もうやめてよ。痛いよ。」

道路わきの部屋なのですが
ほぼ毎晩ネコの喧嘩や基
地外や酔っ払いの叫び声とか怒鳴り声が聞こえる。

3階のベランダから駐車場を見つめ
車に乗り降りする俺をベランダの椅子に座って
じっと見つめる一人の男。

その男はがりがりのスキンヘッドで
メガネをかけていて主に夜中に近所を徘徊しているようだ。

そのうちベランダから

「あsdfghjk」

って感じで言葉を発するようになり
気味が悪いのでは俺はシカトし続けていた。

ある日、応接間でソファに座りながら
勉強してるとコンコンとドアをノックする音が聞こえる。

ドアの覗き穴から見ると
あのスキンヘッドがドアの前にいるではないか!

なんだこいつは?

何が目的だ?

とかいろいろ考えた結果
居留守を決め込むことにした。

ノックする音は5分ほど経ったら消えたが
そいつはそれから毎日ノックするようになった。

いつも居留守を決め込んでいたが
さすがに不気味なので知人達にそのことを話してみた。

アパートに移る前に住んでいた友達:
「やべーぞそいつコカイン中毒者じゃねえの?
侵入されたら包丁持って捕まえろ。
俺の親父は斧持って侵入者追っかけまわしたことあるぜwww」

こいつは当てにならない。

同じクラスの女の子:
「きっとAids付きのホモよ。
ドアを開けなきゃ安全だと思うわ。」

この発言でスキンヘッドに対する俺の恐怖は倍増。

別のアパートを見つけた日本人の女の子:
「えーっマジ?
ちょーヤバいじゃん。私住まなくてよかった。(笑)」

何の解決にもならん。

それから1ヶ月ほど経った後、
あまりにもウザいので俺は
ノックするスキンヘッドにドア越しで話す事にした。

俺:「誰?」

スキンヘッド:「○○○号室の住人だけど・・・」

スキンヘッド:「砂糖余ってませんか?」

俺:「(゚Д゚)ハァ?んなもんねえよ。」

3じゃ足りないので続けて投下します。

そうしてスキンヘッドは去っていったが
その後もノックは止まなかった。

そしてある夜、俺はアパートに入る前に
建物のドアの前の灰皿にタバコを入れたのだが
そのときにドアから出てきたスキンヘッドと
鉢合わせになってしまった。

灰皿からシケモクとなった俺のタバコをとり
火をつけてすい始めるスキンヘッド。

そして俺に向かって、

「これからシケモク拾いに行くけど
一緒に行かない?」

と言い放った。

(゚Д゚)ハァ?(゚Д゚)ハァ?(゚Д゚)ハァ?と思い、

「いかねえよ。」

と返すとスキンヘッドは
そのまま夜の町に歩いていった。

この一件でさらに不気味さが倍増したのであった。

1回エレベータで遭遇して名前を聞かれたの
で日立守護ノ守山中伊集院柿右衛門と早口で言ってまぎらわしたが
スキンヘッドはなぜか俺をトラビスとインプットして
名指ししてくるようになる。

数週間後ドアの前のノックと
トラビスという呼び声がうざくなってきたので
また答えることにした。

俺:「誰だ。何のようだ。」

スキン:「○○○号室の住人です。お茶余ってませんか。」

俺:「ねえよ。消えろ。」

スキンヘッドはこれぐらいでは懲りないらしく
ノックは毎日のように続くが
部屋に入れたくは無いのでノックには居留守で対応。

部屋の外で出くわした時に対処することに決めた。

帰宅中郵便ポスト前で
エレベーターから出てきたスキンヘッドに遭遇。

当然のように声かけてきた。

スキン:「トラビス、タバコくれ。」

俺:「てめえ、何様のつもりだ?」

スキン:「そんな僕はただフレンドリーに・・・」

俺:「俺はお前の友達なんかじゃねえぞ。
てめえは物乞いしてるだけだろうが何がフレンドリーだ!」

俺:「次物乞いに来てみろ
てめえのメガネが目に刺さるまで殴り飛ばしてやるよ。
失せろ!」

そして俺は反応を確認せずに
エレベーターに乗り込み部屋に戻った。

これ以降スキンヘッドは部屋にこなくなり
引っ越してしまったらしくそのうち見かけなくなった。

ただ、彼は多くの住民の中の一人でしかない。

相変わらず中年女性の罵倒は聞こえてくるし
夜になると基地外が外で騒ぐ。

そしてそのスキンヘッドの部屋には
今タトゥーだらけのバイカーが住み着いてる。

ある日車の鍵穴がドライバー入れられたらしく
少し歪んでいて別の日他の車のタイヤに
ナイフで穴があけられてて持ち主が困ってた。

パトカーが敷地内に来てたことも何回もある。

先日例の日本人の女の子から聞いた話によると、
俺の住んでいるアパートは
低所得者と刑務所に入ってる夫が出てくるのを待つ妻が
多く住み着いててほぼスラム化してるとのこと。

以前から引越しを検討してるけど
中々好条件な場所が見つからないまま現在に至る。

何を言いたいかというと・・・
幽霊アパートのほうがマシです・・・

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