母の田舎の実家で起きた話

昭和初期の話らしい。

母がまだ小さい時、女の人がその村のトンネルの中で変質者に殺されたそうだ。

その女の人は魚が好物だったらしく、
それ以来、そのトンネルを魚を持って通ると、昼夜問わず必ず魚が消えていたらしい。

ある時、村で結婚式が行われるので、母の親戚のおじさんが隣り村の漁場まで魚を買いに行く事になった。

それには例のトンネルを通らなければならないらしく、皆はやめた方がいいかもと言っていたが、

「なんのそんな事んあろかよ」(なーに、そんな事あるわけない)

と、そのおじさんは隣り村に魚を自転車に乗って買いに行った。
そこで隣り村でタイを4匹買い、発泡スチロールの中に入れて自転車の後ろに乗せて帰る事になった。

太陽も傾いてうす薄暗くなった時、ちょうどそのトンネルに差し掛かったらしい。

おじさんは例の話は頭にあったけど、気にもとめずそのままトンネルに入って行った。

そしてトンネルの中間まで差し掛かったとき、急にペダルが重くなったらしい。

ガタガタガタガタと、力一杯こいでも、その場で凄い力で自転車の後ろにある荷物を置く所を
見えない誰かが掴んでいる感じだったそうだ。

5分ぐらいそれが続くと、また急にペダルが軽くなったそうだ。

そしておじさんはそのままトンネルを通過し、家にたどり着いて
早速発泡スチロールの中を確認した。

すると、4匹あったはずのタイが3匹しか入ってなかったらしい。

確かに4匹あったはずと、何度も数えたけど、結局3匹しかなかったそうだ。

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