母方の祖父母の家は、
絵に描いたような田舎である。

小6のときの出来事。

その日は明るいうちから、
弟とそこの地元の少年たち計6~7人で遊んでいた。

日が暮れたら、
地元の少年のうちのひとりが保護者を呼んできて、
花火をすることになっていた。

昼間遊んでいたのは、
集落端にある舗装されていない駐車場みたいな空き地。

広さは車が15台くらい置ける広さ。

その脇には大きな農業用水路(?)が流れている。

普段は車や機械?や廃車が置いてあるらしいのだが、
その日は数台のぼろぼろの廃車しかなく、
そこで遊ぶことになった。

地元の少年たちも、
そこではあんまり遊んだことがないとか言っていた。

もちろん俺ら兄弟も初めて。

していたのはカンケリだったと思う。

日が暮れかかった頃、
俺と弟と地元の少年1人(以降A)は、
3人で農業用水路近くに隠れている最中に、
なにかお堂みたいなものを倒してしまう。

ぼろぼろの木造だったので気にしなかった。

周りにはスクラップやガラクタや
壊れた小さなプレハブボックスみたいのがあったので、
壊してもなんとも思ってなかった。

程なくして黄昏になり、
保護者を呼んできて花火が始まった。

場所は同じ駐車場。

このときまだ、
互いの顔が十分認識できる明るさだったのを覚えている。
(俺ら兄弟が帰宅するので早めに行われた)

この後起きたこと。


1、俺と弟とAが立て続けに唐突に変なしりもちをつく。
(あざもできる)

2、弟とAがおもむろに走りだし用水路にはまる。
(大事には至らず)後で聞いても走り出した理由は不明。

3、みんなで2人を助けた後気づいたら、
俺の足の裏に釘付の板が靴を貫通して刺さってることに気付く。
いつ刺さったか不明。気付いてから激痛。(血はそんなに出なかった)

4、足に刺さった釘を抜いている時、
自分が利き腕の手首の辺りまで火傷しているのに気付く。
よく見るとほか2人も同様に火傷。
(俺が指摘するまで気付かず)

背筋が凍った。

花火であんな火傷の仕方は普通しない。

それが3人同時って…

さすがになんかおかしいってことになって、
何かの呪いじゃないのか?

(当時『~のたたり』や、『~の呪い』ってのが流行ってた)

と感じ始める。

お堂のことはすぐに心あたった。

少し罪悪感があったためだったと思う。

そこで、弟とAがなんか怒られてるかしてる間に、
懐中電灯を持って俺がB(別の少年)を誘って、
そのお堂を見に行った。

片足が激痛だったがそれどころではなかった。

すると、
昼間は高く生えてた雑草で気付かなかったのだが、
お堂の周りには実は小さな地蔵が密集していて、
それらを俺・弟・Aがぐちゃぐちゃに踏み荒らしていたことが分かる。

血の気が引いた。

結局、

「地蔵倒しちゃった~」

とか俺が言って、
みんなでそれを直して(お堂はそのまま)、
帰ったと思う。

それ以降特になにもない。

偶然が重なっただけかもしれない。

3人の火傷に気付いたときのビビり具合、
焦り具合は忘れられない。

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