母に聞かされて動揺したんだけど、
今はただ変な話だと思うだけになったので、
ちょっと話させてください。
今はそうでもないんだけど、
その時の私には洒落にならないくらい薄気味悪かった。
私は昔から落ち着きがなく、そそっかしくて、
通知表とかにも『忘れ物が多い』って書かれるタイプだったんだけど、
私としては忘れてるんじゃなくて、物がなくなるんです。
中学の時、教科書をまるっと失くして、
いじめを疑われたんだけど、その後に出てきました。
よく物を失くすと、
祖母がどこからともなく失くした物を見つけてきてくれるので、
その時も祖母に相談しました。
私「おばあさん、教科書がなくなっちゃった。
またお父さんに怒られるかな」
祖母「大丈夫大丈夫、必ず見つかるから。
でもおばあさん力がないから、開けられないんだよ」
開けられないってなに?と、
その時は思ったんですが、
父が仕事から帰ってきたら、
祖母が縁の下の通気口?を開けるように言いました。
そして父が通気口を外すと
(当時の家は古かったせいか、男の力であれば外せたようです)、
縁の下(床下?)に教科書が置いてあったそうです。
渡された教科書にはちゃんと私の名前が書いてありましたし、
湿気でふにゃふにゃになっていましたが、
私の物に間違いありませんでした。
話を聞くと、
祖母はよく縁の下から私の失くした物を探してきてくれていたそうです。
両親が離婚して母方について来た私は、
大人になったからか物を失くすようなことはなくなったと思います。
ですが昨日、
久しぶりに読み返したい本があったので本棚を探したのですが
見当たりません。
お気に入りの本だったので
幌布製のブックカバーをつけて大事にしていたはずなのに、
何故か見当たらない。
母に聞いてみたら、
「あんた、昔、物失くすと縁の下覗き込んでたよね?
あれやってみたら?」
と言ったので、
私も祖母の事を思い出したので、
通気口を懐中電灯で探してみました。
兄と手分けして一軒家の縁の下を懐中電灯で照らしながら探すと、
兄が見つけてきてくれました。
水色のボーダー柄の幌布のブックカバー。
中身も間違いない。
私の本でした。
見つかったよーと母に報告したところ、
母が神妙な顔で
「おばあさんが、
『○○(私)は気に入られてるから、気をつけてあげてね』
って言ってた…」
というので、
気に入られてるって何に?!何で!?と
若干ガクブルしました。
ここ最近で一番怖かった出来事でした。
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