うちにたまたま祖母の友人がやってきた時の話。

その人は庭を通って玄関の前まで来たのだが、
留守なのか誰も出てこない。

どころか、来客のたびに吠えまくる犬の鳴き声すら聞こえない。

留守だろうかと考えていると、
庭に面した大窓のある部屋(因みに俺の部屋)に
初老の男性が立っていた。

彼は窓ガラス越しにその人を見ており、
そして窓を開ける事すらせずに部屋の中から

「この家の人達は皆出かけていますよ」

と言ってきた。

祖母の友人は『ちょっと変だな』と思いながらも、
留守を頼まれた親戚か何かだろうと思い帰ったのだそうだ。

…が。

我が家の誰もそんな人物に心当たりはないし、
そもそもその時期に家が完全に留守になった事もない。

初老の男性といったら
うちには父しかいない(祖父は既に他界)がその人は父を知ってるし、
父本人にも覚えが無いし。

というかそもそも窓ガラス越しに客の対応なんかしない。

更に元お隣さんな人なので、
家を間違えたともちょっと考えにくかったりする。

ついでに言えば家に誰か侵入したような形跡も、
盗まれたものもない。

まあ泥棒が客の応対するとは思えんが。

因みに友人に話してみたら、
そんな話を夕食時の笑い話にして楽しむお前ら家族の感性が
一番怖いと言われてしまった。

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