小学校の時の体験談を投下。

稲刈りのシーズンに、
体験学習みたいなやつで山の中の合宿所に行った。

そこでは稲刈りやって、脱穀やって、
夜になったらキャンプファイヤーして、
一泊することになってる。

そしてその合宿には、
県内の大学生もボランティアで参加してる。

その時も、男女合わせて七人くらいいたと思う。

昼間、稲刈りしてる時に蛇が出てきて、
しかも、その蛇をクラスの男子が鎌で怪我させちゃったりしたんだけど、
まあ、それ以外は大したこともなく夜になった。

んで、キャンプファイヤーが始まって、
しばらくしてから異変が起こった。

女の子の一人が、
急にヒステリー起こしたように大声で喚いて暴れだした。

大学生のお兄さんや合宿所の人が、

「どうしたの!」

って建物の中に連れていこうとしたんだけど、
すごい勢いで暴れるので、
大人が二人がかりでも押さえきれない。

それを見た他の子も怖がって、泣いたり騒いだりで、
おまけに誰かが

「蛇のたたりだ!」

って言い出して、
ますます収拾つかなくなった。

もうほんとキャンプファイヤーどころじゃなくて、
大人は子供を合宿所の中に入らせようとするんだけど、
誰も怖がって動けない。

そのうち山の方を指差して、

「何かがいる!」

なんていう子まで出てきた。

自分霊感ないんだけど、
その時、合宿所の庭?から山道に続く藪の中で、
ほんとに何かがこっちを見てるような気がした。

すると大学生のお姉さんの一人が、
倉庫の方に走っていった。

何かを持って戻ってきたかと思うと、
藪のほうに突進した。

何をするのかと思ったら、
手に持ってた何かを藪に向かって投げつけて、
ものすごい気合の入った声で

「消えろ!」

と…。

その瞬間、
交尾シーズンの猫の鳴き声よりも
もっとすごい何かの声がして藪が揺れ、
気配が一気に遠ざかっていったような気がした。

暴れていた女の子は一気に静かになって、
救護室みたいなところに運ばれ、
大急ぎで火の後始末をして、
皆建物の中に逃げ込んだ。

次の日もレクリエーションの予定があったんだけど、

「具合の悪い子が出たから」

とかで、早々に切りあげて解散。

稲刈り体験学習は次の年もあったけど、
一泊することはなくなったらしい。

でも、大学になってから始めたバイト先で、
ちょっとびっくりするようなことが。

なんと、
あの時大学生ボランティアとして参加してた人が、
バイト先の上司だったことが判明。

あの時の話で盛り上がり、

「そういえば、
あの時ボランティアのお姉さんが投げたのは、
何だったんでしょうか?」

と聞いてみた。

上司が言うには、
あの時お姉さんが投げたのは、
脱穀したばかりのお米とのこと。

なんでも、平安時代の呪術の一種で、
お米を投げて魔を祓うというのがあったらしい。

翌朝、お姉さんはその上司に手伝ってもらって、
撒いたお米を拾い集めて紙に包み、それを燃やして、
灰を近くの川に流したとのこと。

拾い集めたお米には、
血みたいなものがこびりついていたらしい。

気持ち悪くて素手で触る気になれず、
お姉さんもゴム手袋はめて拾ってたらしい。

「昼間怪我させた蛇かどうかはわからないけど、
あの時本当に何かがいたのかもしれないね」

と上司は言っていた。

ただ上司は、
お姉さんがお米を投げた時に聞こえた猫の鳴き声のすごいのは、
聞こえていないし覚えてないとのこと。

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