アバター見ててふと思い出したはるか昔の出来事。

小学校3、4年の今頃だったかな、
算数の授業中、問題の答えを黒板に書かせる流れのとき、
先生が

「手を挙げてない子にしようかな」

とか言い出した。

ボスザル気取りのヤツが、
ちょっと頭の弱い
いつも虐められ気味のヤツがいいんじゃないの、と。

先生に、どう?と聞かれると、
そいつも気が弱いもんだから、
う…うん…とか答えてオドオドと黒板前へ。

簡単な問題なのに手こずってるの見て、
ボスザルはにやけ顔。

何やってんだ…と俺は思ってたが、
何故か『しゃーない手伝ってやるよ』と頭にセリフが浮かび、
そいつが黒板前で「へっ?」て声をあげた。

一瞬後、黒板前で問題解いてた。

俺が。

でも実際に書いているのはそいつだった。

で、書き込み終わって、
ほらよと思ったら、
何事も無かったように俺は自分の机に戻ってた。

そいつも、
ボスザル含め解けないで終わるだろうと思ってたクラス全員ポカーン…

先生までつられてポカーン。

そして先生が

「よ…良くできました~」

なんて丸付けしてる側を、
そいつは首をひねりながら席に戻ってった。

後にも先にもこの時限りだな、
他の誰かをアバターみたいにしたのは。

この時、
何故か一人だけ俺を注視して
何か言いたげなヤツがいたんだが、
気付かれてたのかな?

自分が代わりに答えたなどと言える訳ないので、
その真意は聞けずじまいだった。

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