これは私が小学校5、6年だった時の話です。

実話かどうかは確認しようがない状態なのでなんとも言えません。

それにこんなネット上の掲示板に書いていいのかもわかりません。

その当時ビックリマンチョコが流行っていて
よくシールの交換をする仲間内の一人が友人のO君だった。

O君はゲーム機をたくさん持っていて
PCエンジンからツインファミコンまで物凄い数のソフトがあったので
遊ぶ時は大概O君の家に集まった。

O君の家にはおばあちゃんと父親の3人暮らしで
おばあちゃんは常に家にいたのを覚えています。

その日、いつもの様にO君の家に遊びに行くと
いつもは何人か溜まっているのにその日は誰もいませんでした。

いっつも居る人間がいないのはなんだか不思議な感じでしたが

「コウイチ(当時の私の親友です)来てないの?」

と聞くと

「うん、まだ来てないけど後で来るってよ」

と言われたので中で待つことにしました。

その当時、O君はファミコンのくにおくんシリーズにはまっていたので
その日もそのソフトをしていました。

私はくにおくんシリーズは苦手だったので一番強いリュウイチ、リュウジを
ハンディとして使っていたと思います。

それでもすぐ死んでしまうので
その後はずーっと待ってるだけになってしまいます。

それから1時間くらいしてもコウイチは来ませんでした。

相変わらずすぐに死んでしまうので後は待つだけになります。

コウイチとO君はよく話していましたが
私とはあまり話しませんでしたのでそんな時はやり場に困ります。

暇だ、暇だ、コウイチ早く来ないかなぁと思いながら
普段は見ようともしないO君の部屋を見回したりしました。

そんな時、前から外れていたけど気にもとめなかった
ジャッキーチェンのポスターが気になりました。

セロテープで貼ってあったため4隅とも乾燥してしまっていました。

セロテープは机の上にあるので勝手に貼り直そうと思い
四隅の乾いたセロテープを外すと『バサッ』と
重力で勢いよくポスターが落ちました。

その瞬間私は凍り付きました。

なんとそこにはお札が貼ってあったのです。

それも大きくオレンジ色でいかにもな感じのお札だったので私はゾッとしました。

しかし、O君は動じませんでした。

「あっ、落としたのちゃんと貼っといてね」

とまったく気にしていないのを見て益々不気味さを感じました。

それでも何か言わなくちゃいけない気がしたので
ポスターを貼りながら「これ本物?」と尋ねました。

「ああ、たぶんね。」

とそっけない返答が戻ってきました。

私は震えている手でポスターを直し終えました。

それと同時くらいでしょうかO君もファミコンに飽きたのか
『バチン』とソフトを抜いて「ふぅ~」と息を抜きました。

すると突然

「面白いもの見せてあげようか?」

とO君の方から言い出しました。

私も会話に詰まっていたので「うん」と返事しました。

そうするとO君は別の部屋に行きました
(O君の部屋は離れみたいになっているので独立していました。)。

そしてすぐに20センチくらいの箱を持って戻ってきました。

これ見てみと言うとO君は箱を開けました。

中にはまたしてもゾッとするものが入ってました。

ヒト型と言うんでしょうか紙で作られた人形でした。

「な、なにこれ?」

震える声で聞きました。

「良くは知らない。でも俺の代わりになるらしい。」

とO君は言いました。

もう私は帰りたくて仕方ありませんでした。

しかし、O君は続けました。

「あのさぁ、俺きっと18歳までに死ぬと思う。」

と言い出しました。

私はパニックです。

でもあまりにも淡々と話すO君だけに
帰りたくても帰りを切り出せず

「なんで?」

と気のない返事をするのがせいぜいでした。

「母さんが迎えに来るらしい・・」

もう私は何がどうなってるのかさっぱりわからないくらいパニックになっていました。

「へ~」
「そうなんだ」

などの気のない返事しかできませんでした。

O君はまだ続けます。

「俺が5歳の時両親が離婚したんだ。
その離婚の理由はきっと母さんの病気
(今思うに精神病だと思う)が原因だったと思う。
母さんよく大騒ぎしてたの覚えてるよ、なんでも壊しちゃうんだ。

それで俺は父さんとばあちゃんとここで暮らすことに
なったんだ。そしてその半年後に母さんは死んじゃった・・
それからなぜか毎年お払いを受けるようになったんだよね。

初めはどうしてかわからなかったけど
父さんのタンスから偶然手紙を見つけてからその理由がわかった。
それは母さんの手紙だったんだけど
『Oが18才になったら返してもらいに行きます』って書いてあったから
きっと母さん迎えに来ると思う。

そうさせない様にって父さんは俺の身代わりに
この人形を毎年貰いに行ってるんだと思う・・」

私はそれ以上何も言えませんでした。

もう帰りたくて仕方なかった。

するとその時「O君~」と外で叫ぶ声がするコウイチだった。

それ以来O君の家に行くのが嫌になった。

なんかあの時の不気味さがトラウマになってしまったからだった。

そしてO君とも疎遠になった。

中学は別の中学に行ったので
O君のこともすっかり忘れていました。

今年に入ってコウイチから連絡が入りました。

中学卒業以来です。

たわいもない昔の話に華が咲いていたのでフッとO君の話を思い出しました。

それで聞いてみました。

「あのさぁ、Oって元気してんの?」

と聞くとコウイチの声のトーンが急に下がって

「ん、うん、Oは・・植物状態なんだよ・・」

聞くと高校3年の時にいきなり倒れたそうです。

O君が突然こうなったのは偶然かもしれません。

そればっかりはO君の意識が戻るのを待つしかありません。

これで私の話は終わりです。

なにぶん実話であるのと記憶が古いせいか
曖昧な部分もありますが、

今でもあのオレンジのお札と不気味な紙人形の形だけはハッキリ覚えています。

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