汚い部屋」を書いた人です。

今は大分片付けられるようになったよ!

他の人に比べたら、
まだまだ汚い方かもしれないけどね。

もう1つ話を置いていきます。

私の叔母は所謂“霊視”が出来る人で、
意識しなくても人のオーラが見る事が出来るらしい。

江○さんの女バージョンと考えてもらったら
分かりやすいかも。

体調が悪い人は緑、
何か良からぬ事を考えている人は青、
取り憑かれてる人は…みたいな感じで、
オーラはモワッと霧の様に見えるのだとか。

また、オーラが見えるだけでなく、
念を飛ばして特定の人に危害をもたらす事も出来るらしい。

方法は、ただ目当ての人間を思い浮かべて、
『風邪引け』とか『骨折しろ』と、強く念じるだけ。

そうすると一週間も経たない内に、
その通りになるとかなんとか。

お前が良からぬ事を考えてどうすんだよとは思ったけど、
実際叔母の周りで怪我人・病人がチラホラ現れていた為、
何も言えなかった。

私の母も、

「叔母に頼んで成敗してもらったわ」

とか言ってたから、ますます(´・ω・`)

そんな叔母がまだ40代の頃の話。

深夜、寝室で寝ていると、
何やら異様な気配を感じ目を覚ました叔母。

気配を辿り、
隣に寝ていた旦那の枕元をよく見てみると、
そこには緑色の光がポワンと浮かんでいた。

緑色=体調が悪い時に現れる物だったけれど、
旦那も自分も特に心当たりがない。

第一、その光は対象者の体に纏わり付く物だったから、
光単体で浮かんだり、移動するはずがないのだ。

もしや、
誰かが病気を自分か旦那に乗り移らせる為に送ったのか!?

そう思った叔母は、
全神経を緑色の光に向け、
念仏を唱えたそうな。

すると光は呆気なく消え果て、
室内は何時も通りの空気に戻った。

何だったんかいな?と叔母は不思議に思いながらも、
その日はそのまま眠ってしまった。

翌日。

先に起きていた旦那に声を掛けようとした叔母は、
ある異変に気づいた。

声が出なかったのだ。

いくら腹に力を入れ発声しようとしても、
うんともすんとも言わない。

それに男性でいう喉仏辺りに、
押さえ付けられているような圧迫感、痛みがあった。

何となくアレだろうな…と思いながら、
鏡越しに自分の姿を見てみると。

案の定、
昨日の緑色の光が首周りにベッタリと纏われていた。

部位のみの場合は大変珍しく、
そしてやっかいらしく、
当時百貨店の販売店をしていた叔母は、
どうしたもんかと頭を抱えたらしい。

それからも声は一向に出る事はなく、
それどころか日に日に圧迫感・痛みは増すばかり。

念の為病院で診てもらったが、
やっぱり何の異状もない。

見たり危害を加えたりする事はお手の物だったが、
お祓いはとんと苦手な叔母(超迷惑な人)。

相変わらずキツかったけど、
仕事休めるからいいかと、
楽観的に考えていたとか。

ある日の夜。

本当に誰かに首を絞められているんじゃないかという位の苦しさに襲われ、
叔母は目を覚ました。

首元を見てみると、
ごおごおと燃え盛る炎の様に、
あの緑の光が燈っていた。

これは大変だ!と、
出るはずもない声を必死に振り絞り念仏を唱えた。

その時、
誰かがヒョコッとこちらを覗き込んできた。

その人物は、
叔母の父親(私から見ての祖父)だった。

去年の正月に会って以来、
一度も顔を合わせていなかった父親が何故?

というか、生きているはずなのに何で霊体で?

もしかして生き霊?そんな物飛ばす技術あったん?

と、念仏を唱えながら懐かしい父の顔を見ていると、
現れてから微動だにしなかった父の口が動き、

「ごめんな」

とだけ言って、静かに消えていったそうな。

はぁ?(;´・Д・`)となっていた叔母が、
慌てて父の生き霊?を探すも勿論見当たらずじまいだったが、
かわりに声が出るようになっていた。

おかしいと思い、父の家を尋ねた叔母。

70代にしては皺1つなく(髪もなかったけど)
元気だった姿はなくなり、
父はやせ細り、見るからに元気がなかった。

慌てて病院に担ぎ込み診断を受けた。

父は咽頭癌に罹っていた。
かなり進行していたらしい。

同居していた彼の妻、
つまり叔母の母(私から見て祖母)は大変冷たい人で、
彼が風邪を引こうともスナック帰りに
DQNに絡まれボコボコにされようとも、
まるで気にも留めず。

公務員であった旦那の金をただただ食い散らかす、
どうしようもない人だった。

病魔に蝕まれ変わり果てていく夫の姿を見ていながら、
妻は何故のほほんと暮らせたのか。

そして何より、
何故もっと早く気づいてやれなかったのか。

色々な怒りが込み上げてくる中、
ふと、叔母は今までの事を思い出した。

緑色の光。

乗り移られ、声が出なくなった自分。

そして何より、目の前に現れた父の姿。

もしかするとこれら一連の出来事は、
父なりの助けを求めるメッセージだったのかもしれない。

やせ細り、声の出なくなった父の姿を見て、
叔母はわんわんと泣いたらしい。

ありとあらゆる手を尽くしてもらったが、
父はそれから暫くして亡くなった。

「最後の言葉が『ごめんな』だなんて…。それはこっちの台詞よ~」

って笑ってみせた叔母は、
最期の最期まで父親の手を離さなかったよ。

おしまい。

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