かなり以前のこと。
当時勤めていた職場に、
Aさんという人がいた。
Aさんは、
自分の席の横の窓から飛び降り自殺した人がいることを、
半ば自慢にしていた。
新入社員や営業さんがやってくると、
わざわざ窓枠に残っている足跡を見せて、
「これがこの人のこの世での最後の足跡なんだよ」
とか、
「僕が部屋を出るときすれ違ったから、
僕がこの世で最後に出会った人間なんだな」
とか言っていた。
足跡は、
雨にあたらない所にあったせいか、
長い間残っていた。
ある時、大掃除があって、
その話を知らないアルバイトの女の子が
窓枠をきれいに拭いてしまった。
Aさんはすごく不機嫌になり、
女の子をネチネチいじめていたが、
ある時から何も言わなくなった。
窓枠に再びホコリがたまり始めたら、
あの足跡が現れたからだ。
Aさんの自慢話はぴたりと止まった。
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コメント
コメント一覧 (9)
以前いた職場は大島てるのページに「自殺のあった事故物件」として表示されていたが、当時の様子を知る人がその事件について語ることはなかったね。それが大人の対応というものだろうけどね。
話では、消してもまた現われたそうですが、そうであっても、アルバイト生が消そうとする前に社員(職員)の誰かが消そうとして、それでもまた見えるようになった、という物語展開になるはず。
そして、足跡が再び出たらA氏の自慢話が止まったというのも分かりませんね。消したものがまた現われたら、A氏は喜んで自慢話を再開しそうですよ。
静かになっても多分きっとずっとめんどくさい人なんだろうな
洒落怖のまとめなんだから、そんなに必死になって否定してまわんなよ…
案外、自殺の原因になった人とか?