私が高校2年生のころ、
その日は部活終わってクタクタで
帰った瞬間飯も食わずに寝てしまいました。

私はとにかく夢を見ないor夢を見ても忘れているらしく、
幼少のころから夢というものと関わりなく生きてきたのですが、
どういうわけかその日の夢は
今でもハッキリ思い出せるくらいリアルな夢でした。

その夢の中で、
私は中学の時通っていたある進学塾にいました。

夢はその塾へと行くためのエレベーターが
上昇しているところから始まってきたと思います。

その時

「おーこれが夢かー」

等と呑気なことを考えていたことも
よく覚えております

エレベーターが目的の階に着き、
扉が開いた瞬間大きな笑い声が響きわたりました。

びっくりしてあたりを見回すと
高校二年生当時までに人生で出会ってきた様々な人たちが
一斉に私を指さして笑っていました。

その塾は狭い渡り廊下と教室しかないので、
みんな廊下にとても狭そうに並んで
大きな声で笑っていました。

あっけに取られながらも
私は何年も会っていなかった昔の親友や、
恩師などの顔を見ることができて
とても幸せでした。

あーあんな人やこんな人もいるわー
という感じで見て回っていました。

するとどうやらみんな、
道のようなスペースを空けて並んでいることに気付きました。

その道はどうやら昔、
私が学んでいた廊下の突き当たりにある
教室まで続いているようでした。

私は何があるのかとても気になって、
その教室に進んで行きました。

その時、
何か得体のしれない焦燥感のような、
何で、何で、っていう気持ちが
ふいに強くわいてきたことを覚えています。

教室に入ってみると、
あいかわらず知人たちが笑っている中で、
ふと真ん中のスペースに後ろを向いて
談笑している二人の少女(中学生くらい?)がいました。

その子たちを見かけたとき、
私は得体のしれない焦燥感が極限にまで達し、
心臓の音までよく聞こえていました。

私はその少女たちに全速力で駆けより、
その子たちの肩を掴みました。

すると笑い声が一斉に止み、
少女たちが振り向きました。

少女たちはニタニタと不気味に笑い、
眼には光がなく、
まるでくりぬかれているようでした。

私はその瞬間目を覚ました。

恐ろしい、
間違いなく人生で一番恐ろしい夢でした。

と思ってふと横を見てみると、

そこには天井まで届きそうなほど
身長の大きい赤い襤褸切れを着た女が立っていました。

その眼には光がなく、
まるでくりぬかれているようでした。

私はそこで気を失ったと思います。

次に起きた時は何もいない、
普通の朝でした。

起きてすぐに

「母さん!今日こんな夢を見たんだ!」

と必死になってこの話をしたのですが
一笑に付された事を覚えております。

あの日以来、
何の怪奇にも出会ったことはありませんが、
あの日確かに何かを見たのだと
今でも鮮明に思い出します。

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