10年前に自分と友達Aが体験した話。

私はナレーションの仕事がしたくて
都会の専門学校に通ってた。

でも真面目ではなくて
いつもクラスで仲の良かったAと一緒に
よく学校をサボってた

ある日、
私とAは連日のサボりが祟って
補習を受ける事になった。

補習が終わって
自分達の学科の校舎の屋上で喋っていたら
雨上がりの空が綺麗だった

私は折りたたみ携帯を取り出して、
手すりに乗せて写真を撮り始めた。

私の必死の様子にふざけたAが
私を携帯のカメラで撮りだした

じゃれあってAの撮った写真を見ていたら
Aが

「私の体が透けてる」

と言い出した

Aは霊感が強い子で
よくこう言う事を言う子だったので、
その時もやめてよーとか言って笑って誤魔化したりしてた。

いつもは笑って済ませるAなのに
この時はいつもと違っていた

「いいから見てみてよ」

と真剣な顔をして言われたので
しぶしぶ私は画像を見てみた

その時私は色の濃いポロシャツを着ていたのに、
私の体を通して屋上の柵が見えてた

結構怖かったけど
その時はまだ余裕があって

「光の加減でしょう~、逆光だし」

とか言っていた。

でもやっぱり自分の体が透けてるとか怖いから、
もう一度同じアングルで写真を撮って貰った。

Aがカメラを構えたんだけど
カメラ越しに見た私の姿はやっぱり透けていたらしい。

ここまででかなり怖かったんだけど、
なぁなぁにするのはもっと怖いから
今度は別の西日が差さない位置に移動して撮ってみた。

今度は私の体は透けていなかった。

そのかわりに晴れてたはずの空は
真っ白な煙のようになっていて。

コンクリートのはずの地面は
ぐちゃぐちゃのなんだかよく分からない
苔むしたようになっていた。

私とAはもう顔面蒼白

明らかにこれはおかしな写真だ…

と思っていたけど
怖くて口に出せなかった。

その場には居られなくなり
室内に移動した。

私は混乱しまくっていた。

恐怖で足は震えるし、
自分は死ぬんじゃないかって本気で思った。

でも確かめたくて
私はAに画像を私の携帯に転送して欲しいと頼んだ。

今でも忘れられない本当にホラー映画みたいなんだけど。

転送された画像がゆっくり開かれていって
その画像が余りにも恐ろしくて、
本当に気を失いかけた。

転送された画像は全く違うものになってた

同じ写真のはず。

って言うかAの携帯にあるのは、
私が透けてる写真と透けてないけど変な写真の二枚だけのはず。

問題の画像は透けてない方を送ってもらったのに

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