5歳くらいの頃、
父の仕事の都合で田舎に引っ越して、
しばらく経ったときのことです。

夜は自分の部屋で一人で寝ていました。

ある晩のことでした。

はくしょん大魔王のようなアラジンのランプのような、
ものすごく大きな人が自分の部屋にいました。

そして、

「夜の散歩に連れていってあげる」

と言うのです。

幼かった私は何の疑問もなく、
その人の背中に乗りました。

すると、その人は私を背中に乗せて、
隣の部屋で寝ていた父と母の部屋を通り抜けて空を飛んで、
夜の町を見せてくれたのです。

しばらく経って、
またその人がでてきました。

夜の町を飛んだあと、
今度は空のどんどん上の方まで連れていってくれました。

そして大きな半透明な煙突の様なものの中に入り、
それでもどんどん登っていきました。

でも、天井には蓋があって、

「この上に行きたい」

と言うと、

「まだ若いからこの上に行ってはいけない」

と言われ、引き返しました。

夢だと思うんです。

でも、まだ引っ越したばかりで、
家の周りしか知らない私が、
この場所にはこんなものがあると、
あそこの場所の隣はこれがあるとか、
その町のことを言い当てるので、
親はとても不思議だったそうです。

わたしは、
魔法使いに連れていってもらったんだと言いましたが、
信じて貰えませんでした。

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