1か月くらい前の午後11時ごろ、
駅で切符買おうとしたら、
二十歳くらいの男の人がススッと寄ってきて、
「100円で良いのでお金下さい」
と言ってきた。
なんだこいつと思ってその人を良く見てみると、
結構背の高いちょっと猫背ぎみだが、
ジーンズに白いTシャツ姿の極普通の人だった。
私はなんて答えようか迷ってしまい、
もたもたしているうちにその人は無視されたと思ったのか、
居なくなってしまった。
そんなこともすっかり忘れていた昨日の夜、
家の近くの自販機でジュース買おうとして100円玉を入れたが、
何回入れても戻ってきてしまって買えない。
返却口から取り出して入れて、
取り出して入れてをしばらく繰り返した頃、
ふと、後ろに気配を感じた。
振りかえると、
あの男の人があの時と全く同じように立っていた。
ちょっと猫背なところもそのままに。
驚いて声もでない私に向かって、
「その100円は…」
とだけ言うと、
掻き消すようにフッと消えた。
一瞬の出来事だったので
私は気のせいと思い込む事にしたが、
なんか気持ち悪いので、
その100円はコンビニで使ってから家に帰った。
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コメント
コメント一覧 (8)
この話を読んで、手塚治虫先生の晩年の作品『ブッキラによろしく』の中の「呪いの100円玉」を思い出しました。
絶対に返さないから貸してはいけない。
絶対に恵んではいけない。味をしめて何回も繰り返すから。無垢なちびっこや人を疑わない親切な人が被害者になり続けるから。
亡くなっても寸借詐欺してるのだろうか。
あと1秒成仏するの我慢してよ