じいちゃんが若い頃の話。

ダムで釣りをしていると大物がヒット、
吊り上げると1m近くある岩魚。

意気揚々と家に帰ろうとすると、
橋の上で一つ目の大男に出会った。

大男は何も言わず、
じいちゃんから岩魚を奪い取ろうとした。

しかし意外と力が弱い。

じいちゃんは懸命に抵抗し、
岩魚を抱きしめながら必死の思いで家に帰ってきた。

息を切らしながら
玄関に立っているじいちゃんの姿を見た母親(じいちゃんの)は、
キョトンとしながら言った。

「お前そんな物どうすんだ?」

じいちゃんが必死に抱いていたのは、
1mはある流木だったそうだ。

じいちゃんは今でも、
あれはキツネに盗られたと悔しがってる。

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