M県Y市T病院。
今から35年前の、梅雨時の晩の事である。
夜勤に当たっていた新人看護婦M子は、1年先輩のHとナースステーションにいた。
その頃M子は独り暮らしをしようと考えており、
Hに部屋の家賃の事や家具の事を相談していたという。
時間は午前1時半。前日22時の巡視が終わり、次の巡視まであと30分というところだった。
突然、ナースコールが響いた。
どこからのコールなのか、パネルを見て確認する。
するとどうした事か、ナースコールは半年前に閉鎖し、
廃病棟となった西棟から掛かっていたのである。
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