ずいぶん前の話になりますが、
以前勤めていた千葉県内の会社に
入社した年のある日のこと。
その日は新人同期での飲み会があり、
最寄りの駅に着いたのは、
夜11時をまわった頃だったと思います。
駅から会社の独身寮までは歩いて
15分ほどかかり、私は同じ寮に住む同期のTと
喋りながらのんびりと歩いていました。
独身寮はI市とM市の境目にあり、
途中に人家は少なく、梨畑が一面に広がるのみでした。
駅からは一本道なのですが、
夜になると少ない街灯を頼りに歩かねばならず、
何とも不気味に感じられました。
というのも、この付近は古戦場跡が多いらしく、
いたるところに祠や石碑が建てられ、
それほど霊感が強くはない私にも昼間でも
何とも言えない重苦しい空気が漂っているように
感じられたからです。
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