あの出来事は今でもハッキリと記憶に残っている。
大学に合格し遊ぶ金が欲しいと、
その俺は郊外のビデオショップで働き始めた。
学校帰りに店に入り、
仕事が終わるのは12時もまわった深夜。
誰一人残っていない店を清掃し、レジを閉め、
最後に電気を消し、シャッターを閉じる。
いつもの動作だった。
あれが見えるまでは…
周りのシャッターを閉め、
入口のドアに鍵をかけた時だった。
うっすらと店の奥に明かりが見えたのだ。
「やっば、事務所の電気消し忘れちまった…」
ため息をつきながら、
俺は閉めた鍵を開き店の中に戻った。
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