30年以上前の話。
俺の地元は四国山脈の中にある小さな住宅地というか村で、
当時も今と変わらず200人くらいが住んでいた。
谷を村の中心として狭い平地が点在しており、
そこに村人の家が密集して建っているんだ。
その村の中心から少し離れたところ、
山の斜面の途中にぽつんと一軒、
古い平屋の家が建っていた。
そこがジロウさんの家だった。
ジロウさんは20代半ばと言ったところで、
家の前にある猫の額ほどの畑を耕して暮らしていた。
背はうちの親父よりもだいぶ高く、
恐らくは180センチくらいあったんじゃないだろうか。
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